出産の立会を体験した私が、前もって準備しておくべきことについてお話します。
私が出産の準備をしていたとき感じたのは、「”妊婦の準備”をテーマにした記事は多いのに、”夫が奥さんのためにすべき準備”というテーマの記事が少ない」ということでした。また、あったとしても有名な子育て系サイトで、「この人、ホントに出産立ち会いしたのか?というかそもそも男性なのか?」と疑問を感じる記事ばかり。
そこで、この記事では、「夫が奥さんの出産をサポートするために必要最低限な知識」と「絶対に準備しておいたほうがいいグッズ」を、夫目線で紹介します。
最後まで読めば、出産中、パニックになることは防げるはずです。
目次
出産について夫が最低限頭に入れておくべきポイント
まずは出産について最低限の理解をしておきましょう。
陣痛をまず理解しよう
「陣痛」と聞いても、実際のところよくわかりませんよね。私もそうでした。初産ならなおさらです。
夫が知っておいたほうがいいのは次のポイントです。
- 陣痛とは、赤ちゃんが出てくる「子宮口」を開くための準備
- 陣痛が来たからといって、妊婦はいきなり「いきむ」ことはできない
- 子宮口の開き具合によって、いきめるかどうかがきまる
- その子宮口が開くのに時間がかかるので、お産は長時間になる
※子宮口=赤ちゃんが出てくるための出口
以上のことをまずは理解しましょう。
「そんなの当たり前だろ」と、出産を経験したことのある人なら思うでしょう。ですが、初産の場合はこんなこともよくわからないんですよね。
シンプルに言うと、陣痛とは「子宮口が開いて、赤ちゃんが出てくるための準備をする」ってことなんです。
子宮口が開くまで待たなければいけない
陣痛がきたからといって、妊婦はいきなり「ふーん!」と踏ん張って、赤ちゃんを出すことはできません。
というのも、「子宮口」が完全に開いていないからです。
陣痛がきたからといって、いきなり分娩台に乗ることはできないのです。
じゃあどうするかというと、一般的には「出産準備室」的な部屋で、子宮口が10cmに開くまで待機します。
そして、10cmまで開いたら妊婦はやっと「いきみ」始めることができます。このタイミングで分娩台に乗るんです。
陣痛は主に2パターン
「2パターンの陣痛」をおさえておけば、しっかりと奥さんのサポートができます。
- 5~10分間隔で来る陣痛
- 2~3分間隔で来る陣痛
陣痛中は、基本的に準備室で待機させられます。ここが夫として最もツライ場面かもしれません。
なんたって、「う〜ん」と痛がってる奥さんの隣でサポートすることしかできないのですからね・・・。
Coco
5~10分間隔で陣痛が来る場合
臨月の奥さんが「お腹が痛い」と言い始めても、あわてないで落ち着いてください。その痛みがどれくらいの間隔でくるか計算しましょう。
もし陣痛の間隔が不定期で、20分おきの間隔などで病院に連絡しても「陣痛の間隔が5分ごとになったら病院にきてください」と言われたりします(うちがそうでした)。
陣痛が5〜10分の間隔だと、まだ子宮口の開きは3〜4センチ未満です。
ここが正念場で、5分~10分間隔の陣痛の時間がとても長いんです。
4cm以上開くと、けっこうスムーズに5、6、7cmと開いていきます。ですが、3cmくらいまでがなかなか開いてくれないんですね。ちなみにうちはこのフェーズに10時間以上かかってます。
ここで夫がすべきこと
- 奥さんの腰をさする
- 水分摂取をさせる
- すぐに移動ができる準備をする
奥さんの隣で腰をさすったり、マッサージをしてあげましょう。手でやさしく撫でる程度でOKです。あまり強すぎると逆に不快に思うようです(陣痛中に奥さんに確認してみよう)。
妊婦によってはテレビを見る余裕がある人もいるようですが、うちの場合は奥さんが初産ということもあり、「痛いし集中したいからテレビは消して!」と言われました。陣痛中は、とにかく奥さんの言いなりになってください。余計なストレスを与えてはいけません。
また、水分摂取も大切です。ストローがないと飲みづらいので、100均に「ペットボトルの飲み口をストローに変えられるグッズ」があるので、用意しておきましょう。そして、いつ陣痛の間隔が短くなるかもわかりません。
車を使うならキーを、タクシーを使うならいつでも呼べるように準備しておきましょう。
2〜3分間隔で来る陣痛:もうすぐ産まれます!
陣痛が5分間隔になったら、産婦人科に向かいます。
しばらくすると、陣痛が2〜3分間隔になってきて、子宮口も10cmにせまる勢いで開いていきます。つまり、「生まれる準備」がもうすぐ完了するということです。
ここまで来ると、分娩台へ移動します。
痛みも相当激しくなるそうです。
うちの奥さんは「しんどい」とか「だるい」などあまり言いませんが、この時だけは「痛い痛い痛い〜!」と叫んでいました…。怖かった…。
Coco
ここで夫がすべきこと
- 奥さんのお尻をグッと押す!
陣痛が2〜3分間隔になると、奥さんは理性を保てなくなるほどの痛みと戦っています。
ですが前述の通り、子宮口が10cmまで開ききっていないので、「いきむ」ことができません。これが苦しいんだそうです。
この時赤ちゃんはだんだんと子宮口のほうに移動してきて、奥さんいわく「う◯ちがでそうな感じ」になってくるとのこと。この「う◯ち(赤ちゃん)」を押し返す作業が必要になるんですが、これがまた大変。
奥さんのお尻の穴あたりを手で押さないといけないのです。
言葉を変えると、
奥さんのお尻のANAを、手で、グっと、抑えないといけないのです!
これは壮絶な体験でした。周りの人の話を聞くと、テニスボールで抑えていた人が多いです。
「ゴルフボールのほうが良かった」という声もあるくらい、強い圧迫力が必要になります。
産婦人科によってはテニスボールを用意しているところが多いですが、ゴルフボールまで置いてあるところはなかなかありません。
出産前にパパママ合同の「出産説明会」があるはずなので、そこで必ず事前に出産準備室を実際に見て、どんなグッズがあるか見ておきましょう。
100均のものでも十分使えますよ。
まとめると、夫が陣痛中の奥さんに出来ることは以下の通りです。
- 腰をマッサージ
- お尻のANAに手・テニスボール・ゴルフボールを当てる
- お水を与える
- 食べ物を与える
- 汗を拭いてあげる
基本的にこの5つだけです。
この時、夫として「無力な自分」を味わうことになりますが、1番大変なのは奥さんです。しっかりサポートしてあげましょう。
強すぎるマッサージはダメ
先程も言いましたが、奥さんに対して、強すぎるマッサージはNGです。
といっても、強いか弱いかは奥さん次第なので、その都度で奥さんに聞いてみましょう。
ここでのポイントは、イエスかノーで答えられる質問をしてあげることです。奥さんはただでさえ激しい痛みと戦っていて、考える余裕など一切ありません。
「これはどう?」なんていう、どうとも答えられるようなオープンクエスチョンはしないほうが賢明です。
陣痛は止まる可能性もありますが、慌てないで!
陣痛中に、陣痛が止まる場合もあります。うちの場合がそうでした。
陣痛が止まるというのは、今まで等間隔で来ていた陣痛がパタリと止むこと。
私の奥さんは陣痛が止まったので、陣痛を促進させる薬を使いました。
陣痛が止まったとして心配せず、ナースコールをしましょう。陣痛中、ナースを呼ぶのは夫の仕事ですよ!
出産までに絶対用意しておきたいグッズ
どれも「用意しておいてよかった」というグッズなので、おすすめです。
お水は絶対に用意しよう
水は必須です。奥さんの分だけではなく、自分の分も用意してください。
出産は2日間続くこともあります。
うちは40時間ちょっと続き、「人間が2日で消費する水ってかなり多いんだな」と知りました。
2リットルのペットボトルだと、飲むときにアゴを上げなければならず、奥さんが飲みづらそうでした。よって、500mlタイプを強くおすすめします。
ストロー
ストローがあれば、横になっている奥さんがペットボトルの水を格段に飲みやすくなります。
100均に売っている、
ゼリー系飲料は絶対に必要
妊婦さんたちの周りでは、「ウィダーinゼリー」ではなく、この「速攻元気」が人気らしいです。助産師さんにもそう聞いたので間違いありません。
また、病院では奥さんの食事しか出ないことが多いです。自分が食べる分も用意しておきましょう。
糖質ドリンクも用意しよう
出産では多くのカロリーが必要になります。上記のゼリー系の食事が摂取できたらいいのですが、妊婦によってはゼリーすら食べるのがツラいこともあります(うちの奥さんがそうでした)。
少しでもカロリーを多く、楽に摂取できるよう、糖質ドリンクも用意しておくことを強くおすすめします。
助産師さんいわく、「出産中はなるべくハイカロリーなものを食べないと陣痛になんて耐えられない」とのこと。ローカロリータイプのドリンクはNGですよ!
歯ブラシセット
出産中、夫はサポートでほとんど外に出ることができません。
ですが、ご飯は食べることになるので、そのままにしておくと口の中がクサイ…。
奥さんを近くで励ますので、口臭には気をつけて。
携帯バッテリー
産婦人科の部屋によっては、コンセントが少ない場所もあります。私が利用した場所もコンセントが少なく、事前に確認してもいませんでした。
しかし、常に持ち歩いていた携帯バッテリーでなんとかなりました。「Anker」は携帯バッテリー会社としては有名で、安心できます。
前述のとおり、出産は長時間です。そんな時にスマホのバッテリーが切れたら、孫の写真を両親に送れません。携帯バッテリーは特に用意しておいてよかったものの1つです。
赤ちゃんには良いカメラを
スマホも悪くはありませんが、やはり本格的なカメラの画質には勝てません。分娩室は暗いため、スマホだと赤ちゃんの顔がよく写らないんです。
デジタルカメラであれば、部屋が多少暗くても、赤ちゃんの表情をばっちり収めることができます。もちろん動画もキレイに撮れますよ。
「SONY RX100」には手ぶれ補正機能がついているので、おばあちゃんに撮ってもらっても写真がブレていませんでした。価格もこの機能にしては安めです。
人生に一度の瞬間です。良いカメラで撮影してあげましょう。
Coco