私がうつ病が治る病気だと思う理由は二つあります。
一つは、実際に自分が治ったという事実。
もう一つは、うつ病のある仮説が立ったからです。
今回は、その仮説について書きます。
私が立てた仮説
「うつ病は脳の病気」ってことは何かで読んだり聞いたりしたことがある方が多いと思います。
そして、「脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの不足で起きているんじゃないか?」ということが言われています。
抗うつ薬もその物質を増やす効果があることで、現在もよく使われています。
私は突然うつ病を発症し、5年の試行錯誤の末にうつ病から回復しました。
私はその回復の過程を振り返り、経験した「うつ病だった時の状態」と「発症前の状態」と「回復した状態」の3つの状態を比較して考えてみたのです。
すると、いろいろなことが結びつき、私なりの仮説が浮かびあがったのです。
では、私が立てた仮説とは何か?
「うつ病は、脳に入ってきた情報を処理する作業台が情報で散らかり、処理機能のスピード低下やエラーが起きている状態」
です。
パソコンで例えると、とてもわかりやすいと思います。
「処理機能→CPU」、「作業台→メモリ」、「情報→データ」と置き換えて考えてみてください。
パソコンにプログラム(データ)をたくさんインストールすると、CPUの処理速度が遅くなったりエラーが出やすくなったりしませんか?
その現象に似ていると思います。
うつ病のしくみはシンプル
「え?そんなシンプルなしくみなわけないじゃないか!」と思われるかもしれません。
たしかにいろんな症状があり、人によって出る症状が異なるためにもっと複雑なのでは?と思われるかもしれません。
様々な物事はもともとシンプルからはじまっていると思います。
生物もそうです。
もともとシンプルな単細胞生物からはじまっています。
それからいろいろな器官ができて、それらが相互に関係しあうことで複雑な多細胞生物になっていったのです。
「複雑は単純(シンプル)が集まって関係しあうことで生まれるもの」だと考えています。
だから、うつ病のしくみも元はシンプルでなにも不思議ではないと思うのです。
仮説によって説明できるもの
この仮説を立てると、うつ病の特徴やさまざまな症状について説明が可能になるのです。
すべての特徴や症状を説明すると長くなるので、二つだけ紹介しておきます。
判断力と記憶力が低下する
私はうつ病になって、まずこの判断力と記憶力の低下を感じました。
このことも仮説から説明が可能です。
具体的な情報の処理というのは、次の3つの作業のことだと考えます。
①ハードディスク内の情報からフィルターを通ってきた情報に関連するものを探しだして、作業台に乗せる。
➁作業台で、お互いの情報を関連付け、整理してみる。
➂整理できたものを再びハードディスク内に保存したり、その整理できた情報を使って身体に命令を出したりする。
作業台が情報であふれて散らかっていると、整理が難しくなりますよね?(判断力の低下)
整理できない場合は①②の作業を繰り返しているのだと思います。(思考がぐるぐるまわる=悩んでいる状態)
また、作業台(メモリ)が情報でいっぱいで散らかっていると、探してきた脳内(ハードディスク)内の情報をのせることが難しくなりますよね?(記憶力が低下したと感じる)
だから、うつ病の時は判断力が低下し、記憶力低下したように感じるのだと考えられるのです。
味がわかなくなる
うつ病の時に「食べ物をおいしく感じられない、砂を食べているように感じる」という人がいますよね?
私の場合、うつ病の時にそのように感じていたわけではありません。
回復してから驚いたのが、「食べ物ってこんなにいろんな味がしていたんだ」ということなのです。
味というのは舌という感覚器から取り入れた一種の情報(データ)なのです。
なので、まずは脳内の作業台へと通されます。
しかし、散らかっていたりほかの情報であふれていると、のせられないですよね?
このために自然に防御反応が起きていると考えるのです。
仮に乗せられたとしても、先に乗っている未処理の情報の処理に忙しいので、処理されずに認識(感じる)ことができないのではないでしょうか?
最後に
この仮説から、私が「うつ病は治る」と思っている理由がわかっていただけたのではないでしょうか?
うつ病の仕組みを知る目的は、三つの「安心」を得ることです。
一つ目は、ちゃんと治るんだという「安心」を得ること。
二つ目は、わからないという「不安」をわかるという「安心」に変えること。
三つ目は、うつ病の回復に必要なさまざまな方法を迷わず選択でき、それらを信じ「安心」して取り組むこと。
安心はうつ病回復への第一歩となります。
少しでもうつ病回復への手助けができたならうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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